鼻の日帰り手術について

鼻の日帰り手術について

鼻・副鼻腔の手術は通常、入院が必要とされますが、当院では日帰り手術を行っております。近年、鼻・副鼻腔の手術が低侵襲かつ短時間で実施できるようになったことで、多くの患者様に日帰り手術の提供が可能となっております。

対象となる病気
・慢性鼻炎
・アレルギー性鼻炎
・慢性副鼻腔炎(いわゆるちくのう症)
・鼻中隔彎曲(わんきょく)症

症状としては、慢性的な鼻づまりや、鼻水のある方です。

「手術後にすぐ帰宅したい」
「会社を長く休めない」
「家族への負担を減らしたい」
「治療費を抑えたい」
などの悩みを持つ方に対して、仕事や家族への負担を最小限につつ、QOL(生活の質)を損なうことなく手術を受けていただけます。もちろん、術後は帰宅後2日ほどは安静にする必要がありますが、多くの方が3〜4日で社会復帰されています。

術後の出血や痛み、その他の合併症に関しても、麻酔の適切な配慮や術後の鎮痛剤の使用、内視鏡などの低侵襲手術の採用により、大規模な手術と比較してもリスクが少なくなっております。

また、当院で行う全身麻酔でのの手術は呼吸器疾患や全身疾患を有する患者さんにも安全に受けていただけるだけでなく、手術中にも全く痛みがなく、在院時間が大幅に短縮できるというメリットがあります。

当院の鼻づまり手術や蓄膿手術の場合、来院からお帰りになるまで平均4時間ほどです。

注意事項

日帰り手術は術前後の管理をご自身で行なっていただく必要があります。
このためご自身での管理が不可能と判断させていただく場合には安全のため、入院施設での手術を紹介させていただきます。

入院施設にご紹介させていただく場合がある方

①鼻副鼻腔以外の疾患をお持ちの方で、十分に薬剤でコントロールされていない方
②精神疾患(※)、心疾患、神経筋疾患、腎不全(人工透析中)、高度肥満、睡眠時無呼吸症(CPAP使用中)をお持ちの方
※精神状態のコントロールについてはご本人様の認識に関わらず、当院で判断いたします。
③手術前後、2週間の禁煙が困難な方
④抗がん剤、抗凝固剤(血液をサラサラにする作用があるサプリメントを含む)やインスリン等を使用されている方
⑤日本語でのコミュニケーションが困難な方
⑥日常生活に介助が必要な方

鼻中隔矯正術

鼻中隔矯正術は「鼻中隔弯曲(わんきょく)症」に対して適用される手術です。鼻中隔とは左右の鼻腔(鼻の穴)を隔てている仕切りのことです。

鼻中隔が極端に曲がっているものを鼻中隔弯曲症と言い、鼻づまりを起こす原因の一つです。

鼻中隔は真ん中に軟骨と骨の板が入っていて表面は粘膜で覆われています。弯曲は真ん中の軟骨と骨の境目の歪みで起こります。

幼少期から顔が成長するにしたがってゆがみが生じ、一部が鼻腔の方に張り出してしまう方がいます。

日常生活に支障をきたさない方もいらっしゃいますが、一部の方には、鼻内が狭くなり、鼻呼吸がしづらくなったり、鼻づまり等の症状が出る場合がございます。
鼻が詰まっている場合、お薬の処方で治ることはないので手術が適応となります。
手術時間は20分〜30分で終了します。

さらに、アレルギー性鼻炎が合併すると、症状はさらに悪化し、重度の鼻閉(鼻づまり)を引き起こします。​​形態異常の場合、内服治療では十分な効果が期待できないことがあり、その際は手術による治療が検討されます。

手術方法は片方の鼻から鼻中隔粘膜に切開を加え、鼻の粘膜と軟骨を剥離して鼻中隔軟骨や骨の曲がった部分を切除します。

鼻中隔矯正術では、鼻中隔の曲がりや歪みを引き起こしている部分の軟骨や骨のみを取り除き、矯正します。この際、鼻中隔軟骨の基本的な構造(フレーム)は保持されるため、手術後も鼻の外観に大きな変化は生じません。

下甲介手術の手術も合わせて行うケースがほとんどです。

下甲介手術

鼻に入ってきた空気は鼻の真ん中の柱(鼻中隔)と下鼻甲介の間の隙間を通ります。アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎などで下鼻甲介が腫脹すると、空気が通りづらくなり鼻づまりを起こしてしまいます。

内服や点鼻薬等で鼻づまりが改善しない場合は下鼻甲介をターゲットとした手術を行うことになります。
手術方法には2つございます。

①内視鏡下鼻腔手術(下鼻甲介手術)粘膜下下鼻甲介骨切除術

1つ目の手術で方法では下鼻甲介の骨を切除します。
下鼻甲介の粘膜の中には下鼻甲介骨という組織を支持する骨があります。

鼻腔には下鼻甲介という粘膜のひだがあり、アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎などで下鼻甲介が腫脹すると空気の通り道がふさがり鼻づまりを起こしてしまいます。

下鼻甲介手術は、長い過程で骨や粘膜下の組織が肥厚して鼻閉を起こしている方などに最適な手術方法です。

下鼻甲介の粘膜または下鼻甲介骨を取り除くことによって空気の通り道を作り、鼻づまりを改善します。

骨や粘膜を除去することでフィルター機能の粘膜を維持しながら、全体のボリュームを減少させ鼻腔を広げることができます。

こちらは局所麻酔での手術な可能なため、6〜7歳を超えたお子様で重症のアレルギー性鼻炎があり内服加療で改善がない場合に、局所麻酔下で当院で行うことができます。
※適応はお子さんの状態によります。

②後鼻神経切断術(経鼻腔的翼突貫神経切除術)

後鼻神経とは鼻水とクシャミを制御する神経です。

鼻腔内に存在する後鼻神経という鼻の中の感覚や鼻水の分泌をつかさどる神経を直接に断ち切って、アレルギー物質を過剰に感知することを防ぎ、アレルギー性鼻炎の症状を緩和させようというのが通称:後鼻神経切断術(正式名称:経鼻腔的翼突管神経切除術)です。

後鼻神経を切断することで下鼻甲介からの鼻汁分泌量の抑制、下鼻甲介の後方の知覚が鈍ることにより過剰なむずむず感やくしゃみ、鼻水などの症状の軽減などが期待できます。当院では粘膜下下鼻甲介骨切除術と組み合わせて行うことが多いです。

後鼻神経は、脳から蝶口蓋孔という穴を通って鼻の中に分岐しています。後鼻神経が過敏になるとアレルギー反応に敏感に反応し粘膜を肥厚させたり、鼻汁を分泌させ慢性的な鼻炎・鼻づまりの原因になります。

神経が枝分かれをして粘膜の中を走行している部分を見つけ、電気メスで焼灼します。

花粉症をはじめとするあらゆるタイプのアレルギー性鼻炎に加え、後鼻漏(鼻が喉に落ちる症状)に対しても効果があります。

手術後1週間は、くしゃみや鼻汁、鼻閉が悪化します。

また、手術後、1か月ほどカサブタがついたりすることがあるため、1週間に1回ほど外来での鼻処置が必要です。

※レーザー治療では、短期的効果(1~2年)しか認められないため、当院では採用しておりません。

内視鏡下副鼻腔手術

副鼻腔とは、鼻の周りに左右1対になっている空洞を指し、副鼻腔の中の粘膜からは鼻水が分泌されています。鼻水の流れが悪くなり、副鼻腔の中に溜まると、副鼻腔内の細菌が活発になり炎症を引き起こします。これが副鼻腔炎(ちくのう症)です。

副鼻腔炎は、一般的に「ちくのう症」という名称で知られている疾患です。医学的には副鼻腔炎と呼ばれ、両者は同一の病気を指しています。

副鼻腔炎の主な症状は、黄色から緑色の粘稠な鼻汁と鼻閉です。時には嫌な臭いを伴うこともあります。急性期には顔面痛や頭痛を伴い、非常に不快な状態となります。

風邪をひいた後などに一時的に起こるものを「急性副鼻腔炎」と呼び、これは基本的に薬物療法の対象となります。

一方、風邪とは関係なく常に上記のような症状が2.3ヶ月持続するものを「慢性副鼻腔炎」と呼びます。慢性副鼻腔炎は主に鼻茸がある場合や、内服治療で改善がなければ手術の適応となります。

また、急性副鼻腔炎であっても、風邪のたびに繰り返し発症し、度々辛い症状に悩まされている場合は、手術の適応となることがあります。

正常な鼻腔と副鼻腔炎を患った鼻腔では、内部の状態に大きな違いがあります。副鼻腔炎では、副鼻腔内に炎症が生じ、粘液や膿が貯留している様子が観察されます。

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔に慢性的な炎症をきたす疾患で鼻づまり、鼻汁、色のついた鼻水がでる、頭痛、顔の痛み、嗅覚障害といった症状が出てきます。

炎症が治まらない場合、鼻茸がある場合、お薬による治療に効果がみられない場合には手術を行います。

手術方法としましては、内視鏡を使い鼻の中をモニターで映しながら手術を行います。
鉗子やマイクロデブリッターと呼ばれる内視鏡に搭載されている電気ドリルのような手術器具を使って鼻茸を切除したり、副鼻腔の壁を壊しながら1つの大きな空洞にしたり、副鼻腔の入り口を広げることによって副鼻腔にたまった膿を外に出してあげます。
これにより鼻閉や鼻水、後鼻漏感をなくすことができます。

しかしながら最近増えている難治性の好酸球性副鼻腔炎は完治が難しく、手術後6年間で再発率が50%と再発するリスクがあります。

好酸球性副鼻腔炎は、現在のところ原因不明の難病に指定されています。
この疾患は、鼻づまりや嗅覚低下を初期症状とすることが多く、感冒がきっかけで発症するケースが目立ちます。

また、一般的な副鼻腔炎治療に用いられる抗生剤が効果を示さず、ステロイド含有の内服薬やステロイド点鼻液が奏功することが特徴です。

患者さんの多くは血中好酸球数が高値を示し、両側性の鼻ポリープが多発します。CT画像では、篩骨洞を中心とした病変が確認され、気管支喘息の合併も少なくありません。

好酸球性副鼻腔炎が疑われる場合、鼻茸がある場合には手術しないと症状が良くならないことが多いです。

軽症例では点鼻薬や内服治療、生理食塩水による鼻洗浄で経過観察しますが、継続治療が必要な場合は手術を検討します。

ただし、好酸球性副鼻腔炎は、原因不明の血中好酸球増多を背景とした全身性の疾患であり、副鼻腔や気管支、胃粘膜などの腺細胞に好酸球が浸潤することで局所の炎症が引き起こされると考えられています。

そのため、通常の慢性副鼻腔炎と同様の手術を行っても、根本的な好酸球増多の体質は改善されないため、再発しやすいのです。好酸球増多の原因解明は今後の課題といえます。

また、好酸球性副鼻腔炎は気管支喘息との合併が多いですが、興味深いことに、上顎洞よりも嗅細胞が豊富な上鼻道周辺や篩骨洞(特に後部)に病変が集中する傾向があります。

最近の研究では、気管支喘息治療に用いられる吸入ステロイドの経鼻呼出療法が好酸球性副鼻腔炎に有効であること、また数値流体力学的解析から、鼻腔内の呼気の流れは上鼻道周辺に集中することが明らかになっています。

上記から、好酸球性副鼻腔炎患者の気管からの呼気中に好酸球を誘導する物質が含まれている可能性が示唆されます。

診断は鼻茸の病理検査と血液検査、CT検査で行います。

その場合は手術だけで終わるのではなく、術後の薬物治療も併用して行っていきます。

鼻の日帰り手術の流れ

来院
STEP01
来院

まずはご来院いただき現在のお鼻の状態を確認いたします。
診察予約はネット上で可能です。

診察・術前検査
STEP02
診察・術前検査

身体診察、CT、採血などを行い、手術が安全に行えるかどうかを検討します。

当院では無理に手術を勧めることはございません。患者様のお鼻の状態を確認しながら、必要であれば手術をご提案させていただきます。
術前検査に異常がみられなければ手術を予定通り行います。

手術前
STEP03
手術前

手術前は基本的には絶飲絶食になります。

全身麻酔下では胃の内容物が肺に逆流することによる誤嚥性肺炎が起こる可能性があります。そのため手術前は胃の中を空っぽにする必要があるのです。

絶飲絶食のスケジュールは医師の指示に従ってください。

手術
STEP04
手術

予定した手術日にご来院いただきます。
手術は基本的に全身麻酔で行い、1時間程度で終了します。

術後経過観察
STEP05
術後経過観察

術後の処置が完了し、状態が安定していれば帰宅可能です。
おおよそ術後2時間ほどでご帰宅できる場合が多いです。

ご帰宅の際は付き添いの方の来院もしくはタクシーでのご帰宅をお願いしております。

また当院では手術日を含めて2日の安静をお願いしております。
万が一お体に異変を感じたらすぐに当院へご連絡ください。

再診
STEP06
再診

お鼻の術後の状態の確認やお薬の処方のため、術後の定期的な受診が必要になります。

鼻の日帰り手術の症例

疾患 手術
アレルギー性鼻炎 下鼻甲介粘膜焼灼術
粘膜下下鼻甲介骨切除術
後鼻神経切断術
鼻中隔弯曲症 鼻中隔矯正術
慢性副鼻腔炎 内視鏡下鼻・副鼻腔手術
鼻腔ポリープ 鼻茸切除術

粘膜下下鼻甲介骨切除術(アレルギー性鼻炎)

粘膜下下鼻甲介骨切除術はアレルギー性鼻炎などで下鼻甲介が慢性的に肥厚している方に適応される手術です。

下鼻甲介の肥厚を抑える方法は主に2つあります。

1つ目は粘膜下下鼻甲介骨切除術で粘膜は切除せず鼻甲介の骨だけを除去する方法です。

もう一つは鼻甲介切除術という方法で下鼻甲介の粘膜を一部切除します。
症例によってこの2つを使い分けて手術を行います。

下鼻甲介はとても血流が多い場所ですので、術後すぐは鼻血が出たり、鼻の中が腫れて鼻づまりが起きたりします。
術後1〜2週間すると腫れも出血も落ち着いてきて、1か月もすると鼻の通りが良くなります。

後鼻神経切断術(アレルギー性鼻炎)

鼻腔内に存在する後鼻神経という鼻の中の感覚や鼻水の分泌をつかさどる神経を切除することによって、アレルギー物質を過剰に感知することを防ぎ、アレルギー性鼻炎の症状をなくす手術です。

特にくしゃみ、鼻水などの症状を劇的に改善することができます。

後鼻神経は、脳から蝶口蓋孔という穴を通って鼻の中に分岐しています。
神経が枝分かれをして粘膜の中を走行している部分を見つけ、電気メスで焼灼します。

内視鏡下鼻・副鼻腔手術(慢性副鼻腔炎/蓄膿症)

慢性副鼻腔炎に対する手術方法です。
副鼻腔炎の炎症が治まらない場合、鼻茸がある場合、お薬による治療に効果がみられない場合には手術を行います。

慢性副鼻腔炎の主な原因は、副鼻腔と鼻腔との換気経路の閉塞が解消されないことにあります。そのため、手術では排泄路を十分に開放することが重要です。また、鼻中隔弯曲症やアレルギー性鼻炎など、狭窄の原因となる疾患がある場合は、それらに対する治療も同時に行います。

内視鏡を使用して、副鼻腔の壁を壊しながら1つの大きな空洞にしたり、副鼻腔の入り口を広げることによって副鼻腔にたまった膿を外に排出しやすくなります。

そのため副鼻腔の換気がよくなり、副鼻腔の炎症が改善し、膿がたまりにくくなります。

手術の範囲は副鼻腔の状態によって異なり(1型~4型)、それに応じて費用も変動します。

手術後1~2週間は鼻閉、鼻汁、くしゃみの悪化が見られることがありますが、その後は徐々に症状が改善していきます。
鼻腔内にはカサブタなどが付着するため、術後2.3ヶ月までは定期的な通院と副鼻腔処置が必要です。

手術の費用・高額医療制度について

手術の費用

治療内容 点数 3割負担
後鼻神経切断術 点数30,460点(片側) 3割負担91,380円
下鼻甲介手術 点数7,940点(片側) 3割負担23,820円
鼻中隔矯正術 点数8,230点 3割負担24,690円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型
(副鼻腔雨自然口開窓術)
点数3600点(片耳) 3割負担10,800円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型
(副鼻腔単洞手術)
点数12000点(片耳) 3割負担36,000円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型
(選択的(複数洞窟)副鼻腔手術)
点数24,910点(片側) 3割負担74,730円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型
(汎副鼻腔手術)
点数32,080点(片側) 3割負担96,240円
鼻骨変形治癒骨折矯正術 点数23,060点 3割負担69,180円
変形外鼻手術 点数16,390点 3割負担49,170円

高度医療費のご利用について

高額医療費制度とは1か月の間に医療機関や薬局に支払ったお金が一定額を超えた際に、超過した分のお金が返金される制度です。
高度医療費のご利用について
ここで言及する「医療費」とは、病院やクリニックでの診療費だけでなく、調剤薬局などで処方される薬剤に関連する費用も含まれます。

自己負担限度額は、年齢や年収に応じて異なります。
詳細な自己負担限度額については、厚生労働省が公表している資料をご参照ください。

高額医療制度を利用する場合でも、一時的に窓口で高額な医療費を支払う必要が生じることがあります。払い戻しを受ける際には、審査機関を含む、3か月以上の審査期間が必要な場合も考えられます。

ただし、その月に支払う医療費が自己負担限度額を超えることが予想される場合、加入している公的医療保険に申請することで「限度額適用認定証」を取得できます。

この限度額適用認定証と保険証を提示することで、窓口での支払い額を自己限度額内に抑えることができます。
当院での手術を予定される方は、この申請手続きを事前に完了させることを強くお勧めします。

鼻づまり(鼻閉)は気がつかないうちに進行、放置してはいけない

鼻水やくしゃみは、日常生活の中で気づきやすく、すぐに病院で治療を受ける人が多いです。
一方で、鼻づまりは気づきにくく、進行している場合が多いです。

例えば、耳の問題で診察に来た患者さんが、ついでに鼻の診察も受けると、ほとんど鼻で息ができないほどの鼻づまりの方をよく見かけます。
そうした方に、一時的に鼻の通りを良くすると、「こんなに鼻が通るんだ」と驚かれることがあります。

このように、若い頃から日常的に鼻が詰まっている場合、自覚症状がなく、治療を受けないケースが多く見られます。
また鼻づまりは「所詮息がしにくいだけ」と甘く見られがちですが、実は体に深刻な問題を引き起こしかねません。

まず鼻づまりがあることで酸素を十分な量体に送ることができないので、持久力が落ちたり、集中力が欠如したり、においがわからず味もわからなくなるなどの問題を起こします。

さらに口呼吸だけの状態になると鼻が使われず鼻がほこりだらけの乾燥した状態になるため、それが肺に流れて肺炎を引き起こす可能性も出てきます。
高齢者になるにつれて慢性肺疾患になる可能性も高まります。

慢性的な鼻づまりに対する、従来の治療の限界

薬による治療、免疫療法による治療、レーザーなどによる簡易的治療、手術による治療の4つに大別されます。

しかしながら、慢性的な鼻づまりは、薬による治療や免疫療法による治療は効果はあまり見られません。
また従来から行われているレーザー治療や高周波治療などの簡易的治療も長期的な効果は薄いことが分かっています。

鼻づまり手術(鼻閉改善手術)の治療実績

慢性的な鼻づまりに対する当院の手術実績は下の表のようになっています。
手術術式 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
手術患者数 29 86 144 188 188 221
鼻中隔矯正術 27 75 136 172 167 195
下鼻甲介手術 40 100 198 198 218 280
後鼻神経切断術
(経鼻腔的翼突管神経切断術)
14 58 78 154 136 114
内視鏡下鼻・副鼻腔手術 Ⅲ型 32 62 104 121 138 209
内視鏡下鼻・副鼻腔手術 Ⅳ型 4 20 52 48 31 23
その他
(鼻骨変形治癒骨折矯正術、変形外鼻手術など)
0 0 0 1 4 10
総手術数 117 315 568 693 690 831
2023年には、延べ200人以上の患者様にお越しいただき、実績と信頼を積み重ねています。

得意とする日帰り手術を支える医療機器

当院では患者様に安全・安心な手術を受けてもらうために、大学病院と同等の手術用機械を設置しております。
医療機器 概要
内視鏡システム 繊細かつ体へのダメージを抑えて手術可能
マイクロデブリッダーシステム 副鼻腔手術で使用
血液検査 術前検査
心電図 術前検査
低被爆CTスキャン 術前検査
心電図 被爆を抑えたCT
CTナビゲーション 術中の事故を削減
内視鏡洗浄装置 内視鏡の先端を術中洗浄可能
ネブライザー 痰を除去
電子カルテ 予約~会計までを一元管理

実施できる検査・医療機器・設備

当院は大学病院同等の手術用機械を備え、安全な手術環境作りに努めています。
ここからは当院で実施できる検査・医療機器・設備をご紹介していきます。

内視鏡システム(副鼻腔内視鏡)

鼻の中に内視鏡を挿入することによって肉眼では見えなかった鼻の奥や角度のある部位もピンポイントで拡大して確認できるようになりました。
そのため繊細かつ体へのダメージを抑えて手術をすることが可能です。

さらにマイクロ・デブリッダーと呼ばれる電気カミソリのような内視鏡用の手術器具も使用することで手術時間の劇的な減少となっています。

マイクロデブリッダーシステム(副鼻腔炎手術)

内視鏡下副鼻腔手術をするための専用の施術機械で、先端に回転刃がついており病変部を削りながら吸引し副鼻腔の病変粘膜や隔壁を切り取っていきます。
鼻腔は眼や頭蓋骨の近くにあり非常に危険な部位であるため、熟練者でしか操作することはできません。

当院では多くの手術を担当してきた院長が施術を行うため、安心して手術に臨むことができます。

血液検査(アレルギー検査、術前検査)

術前検査の目的で血液検査を実施させていただいております。
主に、感染しやすいかどうか、出血傾向があるか、糖尿病や脂質異常症などの合併症がないか、アレルギーがあるかどうかなどを事前に把握しておかないと、命に関わるリスクが考えられるため、血液検査は非常に重要です。

心電図(術前検査)など

血液検査と同様に術前に心電図も測定させていただきます。
万が一心臓に何らかの異常がある場合は循環器内科に紹介させていただき、全身麻酔での手術か可能か指示を仰ぎます。入院での手術が望ましい場合もあり慎重に対応します。

低被爆CTスキャン

低被爆CTは従来のCTとは違い、被爆量を大幅に軽減しているので患者様の体への負担を減らすことができます。
また0.05mmでの立体断層撮影が可能なので、鼻閉、難聴、中耳炎、副鼻腔炎など精密な立体画像を必要とする疾患の特定に有利です。

CTナビゲーション(medtronic FUSION ENT NAVIGATION SYSTEM)

副鼻腔炎の手術は、副鼻腔の位置が頭蓋骨や眼の近くにあるため、危険を伴います。
CTナビゲーションは、手術中にどの部位をどのように操作しているかをリアルタイムで3次元で映し出す機械です。
これにより、手術中の事故を防ぐことができます。

内視鏡洗浄装置

内視鏡の先端は血液で汚れやすく、一昔前は先端が汚れるたびに体から抜いて先端を拭いて手術をしていました。
現在ではこの内視鏡洗浄装置を用いて常に高圧洗浄で内視鏡の先端を洗い流しながら手術を行えるため、出血した術野でも安全に手術を行うことができます。

さらに汚れることを気にする必要がなくなったため、病変に1mm程度近接した拡大手術がかのうになりました。

ネブライザー

痰の除去や手術後の排痰目的で使用します。

電子カルテ

電子カルテで診察予約から会計までをすべて管理しています。

院長よりメッセージ

私自身、慢性副鼻腔炎や副鼻腔疾患に対する内視鏡下副鼻腔手術を数多く扱ってまいりました。院長交代に際し、鼻に特化した日帰り手術が行える設備を完備いたしました。

患者様のお仕事への影響、ご家族へのご負担等を最小限にとどめることができ、普段の生活サイクルに影響を及ぼすことなく、鼻に特化した日帰り手術で鼻の改善により生活の質を向上させることができます。

更に、近年増加傾向にあるアレルギー性鼻炎についても手術後の再発を防ぐ為に舌下免疫療法を含めた治療を提供します。

明るく、楽しい医療機関として当地域の医療活動に貢献でき、患者様に満足いただけるよう努めていく所存でございます。

今後とも、ご支援のほど、宜しくお願い致します。
なにかご不調なことがございましたら、ぜひご来院ください。
武田耳鼻咽喉科 院長
武田桃子
院長よりメッセージ

アクセス

クリニック名
医療法人社団皐八会 武田耳鼻咽喉科
住所・所在地
〒354-0018 埼玉県富士見市西みずほ台1-19-5
電話番号
049-254-8733
アクセス
東武東上線みずほ台駅西口、駅から徒歩1分。交番隣り。
駐車場
敷地内駐車場5台。
周辺に無料で使える提携駐車場もあり。
営業時間
午前診療:9:00 ~ 12:00
午後診療:15:30 ~ 18:30
休診日:木曜日、土日は午前診療のみ
※土曜日の午前診療は9:00 ~ 13:00です。
※日曜日の午前診療は8:30 ~ 9:30です。
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