【花粉症治療】舌下免疫療法のやり方と効果・費用・メリットとデメリット
毎年つらい花粉症を、薬で抑えるだけでなく「体質から変えたい」と考える方が増えています。その選択肢が舌下免疫療法です。
この記事では、舌下免疫療法のやり方・効果・費用・メリットとデメリット・開始時期までを、武田耳鼻咽喉科の院長「桃子先生」がわかりやすく解説します。
保険適用の治療で、スギ花粉症とダニアレルギーが対象。数年かけて続ける治療のため、始める前に全体像を知っておくと安心です。
この記事でわかること
- 舌下免疫療法とは何か(仕組み・対象アレルゲン)
- 治療の具体的なやり方と1日の流れ
- いつから始めるべきか(スギは花粉飛散期以外)
- 効果を実感できる割合と期間の目安
- 費用の目安(保険3割負担)
- メリット・デメリットと副作用のリスク
- 子供・妊娠中・他の薬を飲んでいる方の注意点
舌下免疫療法とは?花粉症を体質から和らげる治療

舌下免疫療法とは、アレルギーの原因物質を少しずつ体に取り入れ、反応しにくい体質をめざす治療です。
アレルゲン免疫療法の一種で、舌の下に薬を置いて行います。花粉症の薬が「出た症状を抑える」のに対し、舌下免疫療法は「原因そのものへの反応を和らげる」点が大きな違いです。
アレルゲンに体を慣らす仕組み
ごく少量のアレルゲンを毎日とり続けると、体が徐々にその物質に慣れていきます。少しずつ「敵ではない」と体に覚えさせるイメージです。
効果には個人差があり、すべての方の花粉症が完全になくなるわけではありません。症状の軽減や、薬の量を減らせる効果が期待できる治療とお考えください。
対象はスギ花粉症とダニアレルギー
舌下免疫療法で治療できるのは、今のところスギ花粉症とダニ(ハウスダスト)アレルギーの2つです。ヒノキやブタクサ、動物のアレルギーには対応していません。
まず血液検査などでアレルゲンを特定し、適応があるかを確認します。スギとダニの両方に反応がある方は、時期をずらして両方の治療を行うことも可能です。
舌下免疫療法のやり方(治療の流れ)
舌下免疫療法のやり方はシンプルで、1日1回、舌の下に薬を置いて服用するだけです。
薬は舌の下で1分ほど保持し、その後に飲み込みます。服用後5分間は、うがいや飲食を控えてください。
初回は院内で服用し30分ほど様子をみる
最初の1回目は、必ず院内で医師の指導のもと服用します。服用後30分ほど院内で待ち、強いアレルギー反応が出ないかを確認するためです。
ここで問題がなければ、2回目以降はご自宅での服用に切り替えます。初回だけは時間に余裕をもって受診してください。
2回目以降は自宅で1日1回続ける
2回目からは、毎日ご自宅で服用していただきます。歯みがきのように生活の習慣に組み込むと続けやすいです。
通院は月1回程度で、薬の処方と体調の確認を行います。毎日の服用さえ守れば、通院の負担は大きくありません。
最初の1週間は「増量期」
治療は、薬の量を少しずつ増やす「増量期」から始まります。最初の1週間で規定量まで増やし、その後は同じ量を続ける「維持期」に入ります。
桃子先生からひとこと。「増量期は体を慣らす大切な時期です。かゆみなどの軽い反応が出やすいので、心配な症状があればいつでもご連絡くださいね」
舌下免疫療法はいつから始める?開始時期

開始時期はアレルゲンによって異なり、スギ花粉症は花粉が飛ぶ時期を避けて始めるのが原則です。
スギ花粉は5月〜12月ごろに開始
スギ花粉症の場合、花粉が飛んでいる時期に始めると症状を悪化させる恐れがあります。そのため、飛散期を避けた5月〜12月ごろが開始の適期です。
翌シーズンに効果を感じるには、遅くとも12月ごろまでに始めておきたいところ。夏〜秋のうちに一度ご相談ください。
ダニは一年中いつでも始められる
ダニ(ハウスダスト)アレルギーには飛散期という概念がないため、季節を問わず一年中いつでも開始できます。思い立ったタイミングで始めやすい治療です。
舌下免疫療法の効果(どのくらいで実感できる?)
舌下免疫療法では、約8割の方が花粉症の症状の改善を自覚するとされています。
ただし効果の出方には個人差があり、全員に同じ効果が保証されるものではありません。症状が軽くなる方が多い一方、変化を感じにくい方もいます。
効果を実感するまでの期間
効果は服用してすぐには現れません。一般的に、治療開始から数か月〜1年ほどかけて、徐々に症状がやわらいでいきます。
「今すぐ花粉症を止めたい」という方には向きません。すぐ効かせたい場合は飲み薬などの対症療法を、根本から変えたい場合は舌下免疫療法を、と使い分けるのがおすすめです。
舌下免疫療法の治療期間は3〜5年が目安
治療期間の目安は3〜5年で、その間は毎日の服用を続けます。
症状が軽くなった後も、効果を長く保つには継続が欠かせません。途中でやめると、せっかくの効果が薄れてしまうことがあります。
長い治療に感じるかもしれませんが、毎年の花粉症のつらさが数年で軽くなる可能性を考えると、取り組む価値のある治療です。ご自身の生活と相談しながら始めましょう。
舌下免疫療法の費用(保険適用)
舌下免疫療法は保険適用の治療で、自費診療ではありません。3割負担の場合の費用の目安は次のとおりです。
| 項目 | 費用の目安(3割負担) |
|---|---|
| 初回(検査・診察を含む) | 4,000〜5,000円程度 |
| 2回目以降(毎月・薬代+診察) | 2,000〜3,000円程度 |
金額はあくまで一般的な目安で、検査の内容や処方量、医療機関によって変わります。正確な費用は受診時にご確認ください。子供の場合は、自治体の医療費助成が使えることもあります。
舌下免疫療法のメリット

最大のメリットは、花粉症そのものへの反応を和らげ、体質からの改善が期待できる点です。
副作用が比較的少ない
注射で行う皮下免疫療法に比べ、舌下免疫療法は重い全身反応が起こりにくいとされています。針を使わないため、痛みもありません。
自宅で続けられる
初回以外は自宅で服用できるため、忙しい方でも続けやすい治療です。通院は月1回程度で済みます。
花粉症の薬を減らせる可能性がある
効果が出てくると、シーズン中に必要な飲み薬や点鼻薬の量を減らせる方もいます。薬による眠気に悩んでいる方にとっても、うれしい変化です。
舌下免疫療法のデメリット・注意点

デメリットは、効果が出るまでに時間がかかり、数年間の継続が必要な点です。
効果が出るまで時間がかかる
前述のとおり、効果を実感するには数か月〜1年ほどかかります。即効性を求める治療ではありません。
毎日の服用を数年間続ける必要がある
3〜5年にわたり、毎日欠かさず服用する根気が求められます。飲み忘れが続くと効果が下がるため、習慣化が成功のカギです。
副作用が起こる可能性がある
もっとも多い副作用は、口の中のかゆみ・腫れ・違和感や口内炎、のどの刺激感です。多くは軽く、続けるうちに慣れていく方がほとんどです。
ごくまれに、アナフィラキシーという強いアレルギー反応が起こる可能性もゼロではありません。服用後に息苦しさや全身のじんましんなどが出た場合は、すぐに服用を中止し医療機関にご連絡ください。
こんな方は事前に相談が必要です

年齢や体調によっては、開始時期や治療内容の調整が必要になります。当てはまる方は受診時にお伝えください。
子供は何歳から受けられる?
舌下免疫療法は、一般的に5歳ごろから受けられます。薬を舌の下で保持できるかがひとつの目安です。お子さんの様子を見ながら判断しますので、まずはご相談ください。
妊娠中・妊活中の方
妊娠中や妊活中は、新たに治療を始めることはできません。ただし、すでに維持期に入っている方が妊娠した場合は、授乳中も継続が可能です。
他の薬を飲んでいる方
高血圧などでβ遮断薬を飲んでいる方や、ぜんそくのある方は、治療内容の調整が必要になることがあります。飲んでいる薬やお持ちの病気は、必ず事前にお伝えください。
よくある質問(FAQ)
Q. 舌下免疫療法は自費ですか?
いいえ、保険適用の治療です。3割負担の場合、初回は4,000〜5,000円程度、月々は2,000〜3,000円程度が目安になります。
Q. どのくらいで効果を感じますか?
一般的に数か月〜1年ほどで、徐々に症状がやわらいでいきます。効果の出方には個人差があります。
Q. 治療をやめたら花粉症は元に戻りますか?
効果には個人差があり、やめた後の持続も人によって異なります。効果を保つには、3〜5年の継続が望ましいとされています。
Q. スギとダニの両方を治療できますか?
可能です。まず片方を始め、体が慣れてからもう片方を追加する形が一般的です。ご希望があればご相談ください。
Q. 副作用が心配です。大丈夫でしょうか?
多くは口の中のかゆみなど軽いもので、続けるうちに落ち着くことがほとんどです。強い反応が出た場合は、すぐにご連絡いただければ対応します。
Q. 花粉が飛んでいる時期でも始められますか?
スギ花粉症の場合、飛散期を避けて始めます。ダニアレルギーなら一年中いつでも開始できます。
舌下免疫療法が気になる方は武田耳鼻咽喉科へ

毎年の花粉症を根本から和らげたい方にとって、舌下免疫療法は有力な選択肢です。
桃子先生からひとこと。「舌下免疫療法は、コツコツ続けることで花粉の季節が少し楽になる治療です。合うかどうかは検査と診察で丁寧に見極めます。気になる方は花粉の飛ぶ前に、一度お顔を見せにきてくださいね」
当院は東武東上線みずほ台駅西口から徒歩1分。鼻の治療に力を入れており、花粉症のご相談も多くいただいています。WEB予約・お電話・LINEからお気軽にご相談ください。
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また、当院ではオンライン資格確認を推進しています。
この記事の監修者
・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務
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- 医療法人社団皐八会 武田耳鼻咽喉科
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- 〒354-0018 埼玉県富士見市西みずほ台1-19-5
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049-254-8733
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