副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用はいくらかかる?生命保険・県民共済は受け取れる?気になる費用を解説

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用について

「副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用はいくらくらいかかる?」

「生命保険は受け取れるの?」

「県民共済は受け取れるだろうか……」

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術を検討する上で、多くの方が“手術費用”について気になるのではないでしょうか。

副鼻腔炎(蓄膿症)治療には健康保険が適応されるため自己負担額は抑えられるとはいえ、手術費用ともなると自己負担額は外来診療時よりも高額になります。

その時に治療費をサポートしてくれるのが、生命保険や県民共済です。

では、副鼻腔炎(蓄膿症)の治療では、生命保険や県民共済が受け取れるのでしょうか。

本記事では、副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用と生命保険・県民共済の適応について解説します。

この記事は次のような方におすすめです。

  • 副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用がいくらかかかるか知りたい
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用に生命保険や県民共済が適応されるか知りたい

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用はいくらかかる?

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用の自己負担額には、手術にかかる費用以外に麻酔薬、点滴薬、医療材料費などが含まれています

手術にかかる費用は手術の種類ごとに診療報酬で決められているため、医療機関によって差はありません。
手術方法によって自己負担額は異なりますが、3割負担の方の場合は約1~15万円程度です。

内視鏡下副鼻腔手術診療報酬点数
(1点=10円)
自己負担額
(3割の場合)
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)(片側)3,600点10,800円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)(片側)12,000点36,000円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)(片側)24,910点74,730円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)(片側)32,080点96,240円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅴ型(拡大副鼻腔手術)51,630点154,890円
内視鏡下鼻内整復術診療報酬点数
(1点=10円)
自己負担額
(3割の場合)
内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型(骨、軟骨手術)(片側)6,620点19,860円
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術)(片側)6,620点19,860円
内視鏡下鼻内整復術診療報酬点数
(1点=10円)
自己負担額
(3割の場合)
汎副鼻腔根本術(片側32,080点96,240円
参考:レセプト算定ナビ e-診療報酬点数表 第5款 耳鼻咽喉手術

しかし実際に負担する金額は、お一人おひとり差があります。

その理由は、副鼻腔炎(蓄膿症)の手術には手術費用以外にもさまざまな費用がかかるからです。なお一般的には自己負担額の差は、以下のような要因で自己負担額に差が生じます。

  • 手術に使用する薬の種類や量
  • 手術に使用する医療材料の種類や量
  • 健康保険の自己負担額

手術費用は医療機関ごとの差がありませんので、手術費用以外にいくらかかるのかを把握するようにしたいですね。

当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用

当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用

ここからは当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用を解説します。

当院で行っている副鼻腔炎(蓄膿症)の手術名および、手術費用の概算は以下のとおりです。

手術名保険点数自己負担額(3割の場合)
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型3,60010,800円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型12,00036,000円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型24,91074,730円
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型32,08096,240円
後鼻神経切断(経鼻的翼突管神経切除術)30,46091,380円
内視鏡下鼻中隔手術Ⅰ型6,62019,860円
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型7,94023,820円
なお、上記手術費用に別途診察料、薬剤料、処方料が加わります。あくまで目安の料金としてご参考にしてください。

関連ページ:副鼻腔炎(蓄膿症)・鼻炎の日帰り手術

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術は生命保険を受け取れる?

生命保険とは加入する多くの人が年齢や性別など特定の条件のもとに、公平に保険料を負担し、溜まったお金の中からいざという時に、保険金や給付金というお金を受け取る制度です。

“いざという時”には、次のようなケースが想定されています。

  • 病気になった
  • けがをした
  • がんや心臓病など特定の病気にかかった
  • 入院をした
  • 手術をした
  • 後遺症が残った
  • 介護が必要になった
  • 亡くなった

上記のような病気やケガに備える以外にも、将来に備える学資保険や年金タイプの保険などその種類は多岐にわたります。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術では、生命保険が受け取れるケースとそうではないケースの2つがあります。次項で詳しく解説します。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険が受け取れるケース

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険が受け取れるケース

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険を受け取るためには、副鼻腔炎(蓄膿症)の(外来)手術が給付金支払いの対象となっている契約を結んでいる必要があります

そのほかにも、以下の要件を満たす必要があります。

  • 契約開始後に生じた病気がケガが原因の手術
  • 治療を目的としている手術を受けた
  • 約款に定める所定の(外来)手術を受けた

ご自身の契約する生命保険が副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で給付対象となるかは、生命保険の契約書や約款を確認してください。それでもわからない場合は、契約している生命保険会社に確認するとよいでしょう。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険が受け取れないケース

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険が受け取れないケース

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で治療を受けるためには、手術を受けたときに生命保険が給付される契約でなければなりません

生命保険の種類によっては、別途“特約”という契約を結ばなければ手術の際の保険金の給付が受け取れないため注意が必要です。

また副鼻腔炎(蓄膿症)の手術を受けて生命保険を受け取るためには「生命保険を契約したあとに副鼻腔炎(蓄膿症)になり、手術を受ける必要が生じた」ことがとても重要です。

なぜなら生命保険の特性として、契約前に掛っていた病気に対して生命保険は給付されないためです。

そのほかにも、手術方法によっては給付の対象外になってしまうケースがあります。正式な手術名を医療機関で問い合わせたり、医療機関で受け取る診療明細書などで確認しましょう。

当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険を受け取れるケース

当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険を受け取れるケース

「手術特約を契約している」だけでは、当院の副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で生命保険の給付を受け取れない場合があります。

当院の副鼻腔炎(蓄膿症)は外来手術でおこないます

手術特約には「入院手術」は給付対象でも「外来手術」は給付対象外となっているケースがあるため、ご自身の契約内容をよく確認してください

またご自身の生命保険の契約で給付が受けられるかは、契約する生命保険会社に確認するようにしてください。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術は県民共済の給付金を受け取れる?

県民共済

県民共済とは、全国のさまざま非営利団体の生活協同組合(生協)が提供・運営する保険事業です。

県民共済の掛け金は生命保険よりもリーズナブルで、年齢や性別・健康状態によって掛け金も一律です。

県民共済の保障は入院・通院をしたときの医療保障から、重い後遺症を負ったり死亡したりしたときの重度障害保障や重度障害保障まで幅広くカバーできます。

そのほかにも特約の契約内容によっては、がんや心筋梗塞・脳卒中などで入院期間が長くなったり、通院が重なっても給付金が受け取れます。

県民共済は副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で給付金を受け取れるかは手術方法や契約内容によって異なる

県民共済による手術給付金について

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術で給付金を受けるためには、入院を伴なうもしくは、入院を伴なわない手術が支払い対象の県民共済を契約していることが必要です

手術給付金の支払い規定は、県民共済の制度や契約内容によって異なるため、契約のしおりを確認しましょう。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用が高額になったら“高額療養費制度”を活用しよう

高額療養費制度について

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術では健康保険が適応されたとしても、手術方法や治療期間・治療内容によっては高額な自己負担が求められます。

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術や治療に、金銭的な負担を感じる人は少なくありません。

そんなとき医療費の負担を軽減する制度として“高額医療費制度”があります

高額医療費制度とは、対象月の1日~末日までにかかった医療費の自己負担額が高額になった場合に、自己負担限度額を超えた医療費があとで払い戻される制度です。

自己負担限度額は年齢と収入によって、いくつかの区分にわかれています。

たとえば70歳未満の方の自己負担限度額は、24,600~140,100円と収入によって差がありますが、制度を利用しないときと比べると大幅に自己負担額が減額できます。

高額医療費について詳しくは、次のサイトもしくはご自身の健康保険組合にご確認ください。

参考 全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき (高額医療費)
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

まとめ

副鼻腔炎(蓄膿症)の手術費用は、手術方法によって大きく異なります。一番費用が高額なものは、安価なものの10倍程度かかります。

金銭的な負担を軽減するために、生命保険や県民共済の給付金を当てにしている人も多いでしょう。

しかし、実際に生命保険や県民共済の給付金を受給できるかは、契約内容によって異なりますので必ず確認するようにしましょう。

また、高額になった医療費の自己負担額を軽減するための方法として“高額医療費制度”がありますので、積極的に利用したいですね。

当院では副鼻腔炎(蓄膿症)の手術にかかる費用について、事前にご説明させていただいています。また治療に関連した手続き・申請書類の作成のご相談も承っております。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

院長よりご挨拶
武田耳鼻咽喉科 院長
武田 桃子

・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務

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〒354-0018 埼玉県富士見市西みずほ台1-19-5
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アクセス
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