鼻中隔弯曲症は自力で治せる?治し方・手術・費用を解説
「片方の鼻だけいつも詰まる」「ネットで調べたら鼻中隔弯曲症かもと出てきた」「胃カメラやインフルエンザの検査なとで片鼻が狭いと言われた」。そんな不安から、このページにたどり着いた方が多いのではないでしょうか。
鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)は、鼻の中を左右に仕切る「鼻中隔」が曲がっている状態です。読み方や表記は「湾曲」「彎曲」とも書かれますが、意味は同じです。
気になるのは「自力で治せるのか」「手術しないとダメなのか」という点だと思います。この記事では、原因から症状、自分でできる確かめ方、治療と手術、費用まで、鼻に特化した当院の視点で整理しました。
この記事でわかること
- 鼻中隔弯曲症の読み方・原因・「何人に1人」なのかという割合
- 鼻づまり・鼻血・頭痛など、あらわれやすい症状
- 「鼻が曲がってる」見た目の悩みと鼻中隔弯曲症の違い
- 自力で治せるのか(結論と、症状をやわらげるセルフケア)
- 自分でできる確かめ方と、病院での検査
- 治療の進め方と手術(鼻中隔矯正術=当院の日帰り手術)
- 手術の費用の目安(保険3割)とリスク
結論から言うと、曲がった鼻中隔そのものを自力で元に戻すことはできません。ただし、症状をやわらげる方法はあります。順番に見ていきましょう。
鼻中隔弯曲症とは?読み方と「何人に1人」

鼻中隔弯曲症とは、左右の鼻の穴を仕切る「鼻中隔」が、どちらかに曲がっている状態を指します。
読み方は「びちゅうかくわんきょくしょう」です。「鼻中隔湾曲症」「鼻中隔彎曲症」と書かれることもありますが、同じ病気を表します。
鼻中隔は、骨と軟骨、それを覆う粘膜でできています。この骨や軟骨が曲がることで、片側の鼻が狭くなり、さまざまな症状が出てきます。
鼻中隔が曲がる原因
鼻中隔が曲がる主な原因は、顔が成長するときの「軟骨と骨の成長スピードの差」です。
鼻中隔の軟骨と、まわりの骨では、伸びる速さが違います。限られたスペースの中で軟骨が育つため、逃げ場を失った軟骨がたわみ、曲がっていきます。
曲がりは10歳ごろから徐々に強くなり、成長が止まるころにほぼ完成します。つまり、多くは体の自然な成長の過程で起こるものです。
このほか、鼻を強くぶつけた外傷がきっかけになることもあります。子どものころのケガが、大人になって症状として出てくる場合もあるでしょう。
鼻中隔が真っすぐな人はほとんどいない(割合・何人に1人?)
実は、鼻中隔が完全に真っすぐな人はほとんどいません。程度の差こそあれ、多くの人に何らかの弯曲があります。
子どもでもおよそ7割、大人ではおよそ9割に、軽度から重度の弯曲が見られると言われています。
「何人に1人」というより、大人ならほとんどの人が持っている、と考えたほうが実態に近いでしょう。ですから、弯曲があること自体は珍しくありません。
大切なのは、曲がっているかどうかより「症状で困っているかどうか」です。弯曲があっても無症状なら、治療は必要ありません。
子どもの鼻中隔弯曲症
子どもにも鼻中隔の弯曲は見られますが、手術は原則として成長が落ち着いてから考えます。
成長途中の軟骨に手を加えると、その後の鼻の発育に影響する心配があるためです。お子さんの鼻づまりでは、まずアレルギーや副鼻腔炎など、ほかの原因を確認していきます。
お子さんの鼻づまりが続くときは、自己判断せず、一度耳鼻咽喉科でご相談ください。
鼻中隔弯曲症の症状

鼻中隔弯曲症でもっとも多い症状は、片側にかたよった頑固な鼻づまりです。
鼻中隔が曲がって突き出た側の鼻が狭くなり、空気の通り道がふさがれます。そのため、狭いほうの鼻が詰まりやすくなります。
鼻づまり以外にも、次のような症状があらわれることがあります。
- 鼻血(狭い側の粘膜が乾いて傷つきやすい)
- 副鼻腔炎(蓄膿症)をくり返す
- 口呼吸・いびき・睡眠の質の低下
- においを感じにくい(嗅覚の低下)
- 頭痛や頭の重さ
症状の強さには個人差があります。弯曲が強くても平気な人もいれば、軽くても強く困る人もいるでしょう。
鼻づまりが長く続くと、慢性副鼻腔炎につながることもあります。くり返す蓄膿症で悩む方は、副鼻腔炎(蓄膿症)の治し方 もあわせてご覧ください。
左右の鼻づまりが入れ替わる・片方だけ詰まるのはなぜ?
「左の鼻だけ詰まる」「詰まる側が左右で入れ替わる」と感じるのは、鼻の自然なはたらきが関係しています。
健康な鼻でも、左右の粘膜は数時間ごとに交代でふくらみます。これが「ネーザルサイクル」と呼ばれる仕組みです。ふだんは気になりませんが、鼻中隔が曲がって片側が狭いと、交代のタイミングで強い詰まりを感じやすくなります。
「いつも片方だけ」「片方の鼻の穴が狭い気がする」という場合は、弯曲が関係しているかもしれません。
「鼻が曲がってる」見た目の悩みと鼻中隔弯曲症の違い
「鼻が曲がってる」という悩みには、大きく2つあります。鼻の”中”の問題と、鼻の”外側の形”の問題です。この2つは分けて考える必要があります。
鼻中隔弯曲症は、鼻の”中”の仕切りが曲がっている状態です。外から見て鼻筋が曲がっているわけではなく、鼻づまりなどの機能面の症状が問題になります。
一方、「鼻筋が曲がっている」「鼻の見た目を治したい」という外側の形の悩みは、また別の話です。見た目だけを整える手術は、美容医療の範囲になり、保険は使えません。
| 悩み | 何の問題か | 主な診療 |
| 鼻づまり・鼻血・いびき | 鼻の中(鼻中隔)の問題 | 耳鼻咽喉科(保険診療) |
| 鼻筋の見た目・形 | 外側の鼻の形の問題 | 美容外科・形成外科(自費が中心) |
当院で保険診療として扱うのは、鼻づまりなどの症状を改善する治療です。見た目そのものだけを整える手術は行っていません。ただし、症状の原因が鼻の中にあるのかは、診察で見きわめられます。まずはご相談ください。
鼻中隔弯曲症は自力で治せる?手術しないで治す方法はある?
結論として、曲がった鼻中隔そのものを、自力で元の形に戻すことはできません。骨と軟骨の構造の問題だからです。
ネット上には「鼻を治す体操」「マッサージ」などの情報もあります。ただ、これらで骨や軟骨のゆがみが真っすぐになる、という医学的な根拠はありません。
市販の鼻腔拡張テープや器具も、通り道を一時的に広げるだけです。構造そのものを矯正するものではない、と理解しておいてください。
構造を根本から治せるのは手術だけ
症状の原因が鼻中隔の弯曲そのものにある場合、根本的に治す方法は手術に限られます。曲がった部分を整えて、空気の通り道を広げるためです。
「手術しないで治す」とうたう民間療法には、慎重になってください。効果には個人差があり、確かめられていない方法で時間を失うと、症状が長引くこともあります。
症状をやわらげるセルフケア(対症療法)
手術以外でも、鼻づまりなどの症状を”やわらげる”工夫はできます。あくまで一時的な緩和であり、弯曲が治るわけではない点はご了承ください。
- 部屋を加湿し、鼻の粘膜の乾燥を防ぐ
- 就寝時に枕を少し高くする
- 横向きで、楽なほうの鼻を上にして寝る
- こまめな水分補給で鼻の中をうるおす
アレルギー性鼻炎や花粉症が重なって鼻づまりが強い場合は、その治療で楽になることもあります。詳しくは 花粉症による鼻づまりを解消する方法 を参考にしてください。
ただし、市販の点鼻薬(血管収縮薬)の使いすぎには注意が必要です。長く使うと、かえって鼻づまりが悪化することがあります。2週間を超えてだらだら使わず、症状が続くときは受診してください。
院長として診察していると、「何年も自分で対処してきた」という方に多く出会います。がまんを続けるより、一度原因をはっきりさせたほうが、結果的に近道になることが多いと感じています。
鼻中隔弯曲症の確かめ方・セルフチェック

自分が鼻中隔弯曲症かどうかを、見た目だけで正確に判断することはできません。ただし、当てはまる項目が多いほど、可能性は高まります。
次のような状態が続いていないか、チェックしてみてください。
- いつも同じ側の鼻が詰まっている
- 片方の鼻の穴が狭い気がする
- 鼻血が出やすい側がある
- 口を開けて寝ている・いびきを指摘される
- 風邪でもないのに鼻づまりが長く続く
これらはあくまで目安です。実際の弯曲の程度や、症状の本当の原因は、鼻の中を見ないとわかりません。気になる項目があれば、確かめる意味でも受診してみてください。
鼻中隔弯曲症の診断(検査)
診断では、鼻の中を実際に観察することがもっとも大切です。
まず、鼻鏡やファイバースコープ(内視鏡)で、鼻中隔の曲がり方や、鼻の通り道の狭さを直接確認します。
症状の原因が弯曲だけなのか、アレルギーや副鼻腔炎も重なっているのかを見きわめます。原因によって、治療の進め方が変わるためです。
必要に応じてCT検査を行い、副鼻腔の状態や、骨の曲がり方をくわしく調べます。手術を考える場合には、この画像がとても役立ちます。
鼻中隔弯曲症の治療方法

治療は、まず薬で症状をやわらげ、それでも改善しない場合に手術を検討する、という順番で進めます。
弯曲があっても、症状が軽ければ治療は不要です。あくまで「症状で困っているか」が、治療を始める目安になります。
まずは薬による治療(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎)
鼻づまりには、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎が重なっていることがよくあります。まずはこれらの炎症を、内服薬や点鼻薬で抑えます。
粘膜のはれが引けば、狭い鼻の通りも楽になります。薬で十分に症状が落ち着けば、手術をしなくて済むこともあります。
ただし、これは対症療法です。弯曲そのものが治るわけではないため、薬をやめると再びつらくなる場合があります。鼻づまりの背景を知りたい方は、鼻づまりの原因と解消法 もご覧ください。
手術による治療(鼻中隔矯正術)
薬で十分な効果が得られず、日常生活に支障が出ている場合には、手術(鼻中隔矯正術)を検討します。
鼻中隔矯正術は、曲がった鼻中隔の軟骨や骨を整えて、鼻の通り道を広げる手術です。粘膜を残したまま、内側の曲がった部分だけを取り除きます。
鼻づまりが強い場合は、はれた下鼻甲介(肥厚性鼻炎)を小さくする手術(下鼻甲介手術)を一緒に行うこともあります。原因に合わせて組み合わせます。
当院の日帰り手術の特徴
当院は鼻に特化し、鼻中隔矯正術を日帰り手術で行っています。すべて保険診療です。
手術は内視鏡を使い、鼻の中から行います。顔の外や口の中を切らないため、傷あとが表に残りません。
- 局所麻酔による日帰り手術に対応
- 内視鏡下で、鼻の中から実施
- 顔に傷が残らない
- 入院の負担が少なく、仕事や家庭への影響を抑えやすい
「入院はむずかしい」と手術をためらってきた方も、日帰りなら受けやすいと感じられるはずです。
手術のリスク・合併症
手術には、少ないながらもリスクや合併症があります。受ける前に必ず知っておいてください。
- 術後の出血・鼻血
- 一時的な鼻づまり(腫れやかさぶたによる)
- 鼻の中の癒着や、まれに鼻中隔に穴があく
- 麻酔に関連するもの
効果の出方や回復の早さには個人差があります。当院では、こうしたリスクと期待できる効果の両方を、診察でていねいにご説明したうえで判断していただきます。
手術を受けられる年齢
手術は、鼻の成長が落ち着いてから受けるのが基本です。目安として15歳〜18歳以上とされることが多く、施設によって対象年齢は異なります。
成長途中で手術をすると、その後の鼻の発育に影響することがあるためです。お子さんの場合は、年齢や成長の様子を見ながら判断します。
院長として大切にしているのは、「手術ありき」で話を進めないことです。弯曲があっても、まず薬で楽になるならそれでよい。手術が本当に必要かどうかを、検査で見きわめてからご提案しています。
鼻中隔弯曲症の手術費用(保険3割の目安)
鼻中隔矯正術は保険診療です。3割負担の場合、手術単独でおよそ2万〜2万5千円が目安になります。
鼻づまりが強く、下鼻甲介手術を一緒に行う場合は、費用が上乗せされます。両方を合わせると、3割負担でおよそ5万〜7万円程度が目安です。
| 手術の内容 | 自己負担(3割)の目安 |
| 鼻中隔矯正術(単独) | 約2万〜2万5千円 |
| 鼻中隔矯正術+下鼻甲介手術 | 約5万〜7万円 |
これは手術そのものの目安です。実際には術前検査(CT・血液検査など)や、使う薬・材料によって前後します。正確な費用は、診察と検査のうえでご案内します。
1か月の医療費が高額になったときは、高額療養費制度が使えます。70歳未満の一般的な所得の方では、自己負担の上限は月およそ8万〜9万円が目安です。事前に「限度額適用認定証」を用意しておくと、窓口での立替が不要になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 鼻中隔弯曲症は自力で治せますか?
曲がった鼻中隔そのものを、自力で元に戻すことはできません。マッサージや体操で構造が治る根拠はありません。ただし、加湿や薬などで症状を一時的にやわらげることは可能です。
Q. 手術しないで治す方法はありますか?
弯曲そのものを治せるのは手術だけです。ただし、症状が軽ければ薬による対症療法で十分なこともあります。まず検査で原因を確かめてください。
Q. 鼻中隔弯曲症は何人に1人くらいですか?
完全に真っすぐな人はほとんどいません。大人ではおよそ9割に何らかの弯曲があるとされます。ただ、症状が出て治療が必要なのは、その一部です。
Q. 自分が鼻中隔弯曲症か、確かめる方法はありますか?
いつも同じ側が詰まる、片方の鼻の穴が狭い、といったサインが目安になります。ただし正確な診断は、鼻の中を内視鏡などで見る必要があります。
Q. 手術をすると鼻の見た目は変わりますか?
鼻の中を整える手術なので、外から見た鼻の形は基本的に変わりません。鼻筋の見た目を整えたい場合は、美容外科など別の診療の範囲になります。
Q. 手術の費用はどのくらいですか?
保険3割で、鼻中隔矯正術の単独なら約2万〜2万5千円が目安です。下鼻甲介手術を併せると約5万〜7万円ほど。高額療養費制度で自己負担には上限があります。
Q. 子どもでも手術できますか?
成長への影響を避けるため、原則として成長が落ち着いてから検討します。まずはアレルギーなど、ほかの原因がないかを確認していきます。
まとめ|鼻中隔弯曲症の治療は武田耳鼻咽喉科へ

鼻中隔弯曲症は、多くの人に見られるありふれた状態です。大切なのは、曲がっているかどうかより、症状で困っているかどうかです。
曲がった鼻中隔そのものは、自力では治せません。それでも、症状が軽ければ薬でやわらげられますし、つらい鼻づまりは手術で根本から改善できます。
当院は、みずほ台駅西口から徒歩1分。鼻に特化した日帰り手術を強みとし、検査から手術、術後の通院まで保険診療で一貫して対応しています。
「片方だけ鼻が詰まる」「もう何年も続いている」。そんな方は、一度ご相談ください。ご予約はWEB予約・お電話・LINEから承っています。
みなさまに寄り添った診療を
心がけております。
保険証を持参の上、ご来院ください。
また、当院ではオンライン資格確認を推進しています。
この記事の監修者
・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務
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- 医療法人社団皐八会 武田耳鼻咽喉科
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午後診療:15:00 ~ 18:00
休診日:木曜日、日曜日、土曜日は午前診療のみ
※土曜日の午前診療は9:00 ~ 12:30です。
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