鼻中隔湾曲症は自分で治せる?放置するとどうなる?

鼻中隔湾曲症は自分で治せる?放置するとどうなる?

「いつも片方の鼻が詰まっている」

「寝ているとき、いびきがひどいと言われる」

「口呼吸が癖になっている」

――もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、もしかしたら鼻中隔湾曲症が原因かもしれません。鼻中隔湾曲症は、鼻の真ん中にある「鼻中隔」が曲がってしまい、さまざまな不快な症状を引き起こす状態です。

「これって自分で治せるの?」「放置するともっと悪くなる?」と不安に感じている方もいるでしょう。

この記事では、そんなあなたの疑問に答えるべく、鼻中隔湾曲症を自分で治せるのかどうか、そして放置することでどのようなリスクがあるのかを詳しく解説します。ぜひ、最後まで読んで、あなたの鼻の悩みを解決するヒントを見つけてください。

鼻中隔湾曲症とは?

鼻中隔湾曲症とは?

鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)は、私たちの鼻の真ん中にある「鼻中隔(びちゅうかく)」が大きく曲がっている状態を指します。鼻中隔とは、鼻の穴を左右に隔てる壁のようなもので、軟骨と骨でできています。この壁がまっすぐではなく曲がっていると、片方または両方の鼻の通りが悪くなり、さまざまな症状を引き起こすことがあります。

鼻中隔が曲がる原因

鼻中隔が曲がる原因の多くは、成長の過程で自然に起こるものです。鼻中隔を構成する軟骨と骨の成長速度が異なるために、どうしてもいびつな形になってしまうことがあります。多くの人は多少の曲がりがあっても特に問題はありませんが、その曲がりが大きいと鼻詰まりの症状として現れます。

また、子供の頃の顔面の外傷が原因で鼻中隔が曲がるケースや、生まれつきの先天的な要因で曲がっている人もいます。

鼻中隔湾曲症を自分で治すことはできる?

鼻中隔湾曲症を自分で治すことはできる?

結論から言うと、鼻中隔湾曲症を自分で完全に治すことはできませんし、骨や軟骨の湾曲は自然に治りません。

鼻中隔湾曲症は、鼻の内部の骨や軟骨の構造的な問題です。そのため、マッサージや市販の点鼻薬、鼻うがい、あるいは民間療法などで、曲がった鼻中隔を物理的にまっすぐにすることは不可能です。

これらの方法で一時的に鼻づまりが楽になったり、症状が緩和されたりすることはあるかもしれませんが、それは根本的な治療にはなりません。あくまで一時的な対処療法であり、鼻中隔の曲がりそのものが改善されるわけではないことを理解しておく必要があります。

鼻中隔湾曲症の治療方法

鼻中隔湾曲症の治療方法

鼻中隔湾曲症の治療は、主に症状の程度や、それが日常生活にどれだけ影響を与えているかによって変わります。

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の治療をする

鼻中隔が曲がっている方の中には、鼻づまりや鼻炎などで鼻の粘膜が腫れたり荒れたりしてしまっているケースが少なくありません。

まずは、内服薬や点鼻薬などを併用しながら、鼻の粘膜の炎症の改善と症状の軽減を目指します。

これらの対症療法が著効し症状の改善がみられれば、手術の必要はありません。

手術を受ける(鼻中隔矯正術)

対症療法でも症状の改善がみられない、鼻づまりや鼻出血、副鼻腔炎などを繰り返す方には手術をおこないます。

当院では、内視鏡で曲がっている鼻中隔や骨の一部を切り取り真っすぐにする、鼻中隔矯正術という手術をおこなっています。

内視鏡でおこなう鼻中隔矯正術は鼻の中だけの傷のため傷も小さく、身体への負担もとても少ないため、日帰りで受けられるため忙しい方にもおすすめの方法です。

鼻中隔湾曲症を放置するリスクはある?

鼻中隔湾曲症を放置するリスクはある?

「それほど症状がひどくないから」といって鼻中隔湾曲症を放置してしまうと、さまざまなリスクや不快な症状が慢性化する可能性があります。

  • 片側だけの鼻づまりが続く
  • 口呼吸によるいびき・睡眠の質低下
  • 副鼻腔炎、中耳炎のリスク増加
  • 集中力・仕事・日常生活のパフォーマンス低下

片側だけの鼻づまりが続く

鼻中隔が大きく曲がっていると、片方の鼻の穴が常に狭くなり、慢性の鼻づまりに悩まされることがよくあります。ひどい場合は常に片方の鼻が詰まっているような状態になり、鼻で息をするのが難しくなります。

口呼吸によるいびき・睡眠の質低下

鼻づまりが続くと、無意識のうちに口呼吸になってしまいます。口呼吸は、喉を乾燥させやすく、細菌やウイルスの侵入を許しやすくなるだけでなく、いびきの原因にもなります。

いびきがひどくなると、睡眠時無呼吸症候群につながることもあり、これにより睡眠の質が著しく低下します。質の悪い睡眠は、日中の眠気や倦怠感、集中力の低下など、日常生活に悪影響を及ぼします。

副鼻腔炎、中耳炎のリスク増加

鼻中隔が湾曲していると、鼻の内部の空気の通り道が狭くなり、粘液がたまりやすくなります。これにより、副鼻腔炎(蓄膿症)を発症しやすくなったり、症状が悪化しやすくなったりします。

また、鼻と耳は耳管でつながっているため、鼻の炎症が耳に影響を及ぼし、中耳炎を繰り返すリスクも高まります。

集中力・仕事・日常生活のパフォーマンス低下

慢性的な鼻づまりや口呼吸による睡眠不足は、日中の集中力や注意力を低下させます。これは学業や仕事の効率に影響を及ぼすだけでなく、日常生活全体におけるパフォーマンスの低下にもつながりかねません。常に鼻が詰まっている不快感は、ストレスの原因にもなり得ます。

まとめ|気になる症状があれば耳鼻科での診察を

まとめ|気になる症状があれば耳鼻科での診察を

鼻中隔湾曲症は、多くの人が持っているとされる比較的よくある鼻のトラブルです。しかし、その曲がりが大きいと、鼻づまりや口呼吸、いびきといった不快な症状を引き起こし、日常生活の質を大きく低下させる可能性があります。

鼻中隔湾曲症は、自分で治すことはできません。もし「常に片方の鼻が詰まっている」「いびきがひどいと言われる」「口呼吸が癖になっている」など、気になる症状がある場合は、自己判断で放置せず、まずは耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

専門医に相談することで、適切な診断と、あなたの症状に合った治療法を見つけることができます。早めに相談して、快適な鼻呼吸を取り戻しましょう。

この記事の監修者

院長よりご挨拶
武田耳鼻咽喉科 院長
武田 桃子

・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務

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