いびきは病気?原因と対策・治療法を耳鼻科専門医が徹底解説
毎晩のいびきを「体質だから」とあきらめていませんか。いびきの裏には、鼻づまりや睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。放っておくと日中の眠気や生活習慣病につながる危険なタイプも存在します。この記事では、いびきの原因から自宅でできる対策、耳鼻科での治療、受診の目安までをわかりやすく整理しました。
この記事でわかること
- いびきが鳴る仕組みと、気道が狭くなる6つの原因
- 無害な「単純性いびき症」と危険な「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の違い
- 放置すると危険ないびきのサインと、受診の目安
- 今日から自宅でできるいびきのセルフ対策
- 耳鼻科で受けられる治療(鼻の日帰り手術・CPAP・生活改善)
いびきはなぜかくのか?音が鳴る仕組み

いびきは、眠っている間に空気の通り道(気道)が狭くなり、粘膜が振動して鳴る音です。
起きているときは、のどの筋肉が気道を広く保っています。ところが眠ると筋肉がゆるみ、舌のつけ根やのどの奥が沈み込みます。狭くなった隙間を空気が通ると、笛のように粘膜が震えて音が出るしくみ。つまり、いびきは「気道が狭くなっているサイン」でもあります。
鼻がつまっていたり、あごが小さかったりすると、もともと狭い気道がさらに細くなります。音の大小だけでなく、その奥にある原因を見極めることが大切です。
いびきをかく主な原因

いびきの原因は、気道を狭くする要素が単独または複数重なって起こります。代表的な原因を6つに分けて解説します。ご自身に当てはまるものがないか確認してみてください。
鼻づまり(鼻炎・副鼻腔炎・鼻中隔弯曲症)

鼻がつまると口呼吸になり、いびきをかきやすくなります。
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、鼻の仕切りが曲がる鼻中隔弯曲症があると、鼻の通り道が狭くなります。鼻で息ができないと自然に口が開き、舌が落ち込んで気道をふさぎます。鼻づまりは、耳鼻科で治療できるいびき原因の代表格。当院は鼻に特化した日帰り手術に対応しています。
鼻づまり自体の詳しい原因や解消法は、別記事でも解説しています。
肥満・首まわりの脂肪

体重が増えると、のどの内側にも脂肪がつき、気道が狭くなります。
とくに首まわりや舌のつけ根に脂肪が沈着すると、あお向けで寝たときに気道がふさがりやすくなります。BMIが高い方や、20歳の時と比べ体重が増えた方はいびきをかきやすい傾向。首が太く短い体型の方も注意が必要です。
飲酒・睡眠薬

寝る前のお酒や睡眠薬は、いびきを悪化させます。
アルコールや一部の睡眠薬には、筋肉をゆるめる作用があります。のどの筋肉までゆるむと舌が落ち込み、気道が狭くなっていびきが強くなります。ふだんはかかない人でも、飲んだ夜だけ大きないびきをかくことがあるのはこのため。寝酒が習慣になっている方は見直してみてください。
仰向けの寝姿勢

あお向けで寝ると、重力で舌が落ち込み、気道をふさぎやすくなります。
横向きで寝ると舌の落ち込みが減り、いびきが軽くなる方は少なくありません。寝入りは横向きでも、朝には仰向けに戻っているケースもよくあります。姿勢だけで改善しないときは、ほかの原因が隠れている可能性もあるでしょう。
加齢・女性ホルモンの減少

年齢を重ねると、のどの筋力が落ちていびきをかきやすくなります。
加齢によって気道を支える筋肉がゆるみ、粘膜も振動しやすくなります。女性の場合、気道を保つ働きのある女性ホルモン(プロゲステロン)が更年期以降に減少します。そのため、閉経前後からいびきが目立ち始める方もいます。「年のせい」と片づけず、原因を確かめることが安心につながります。
骨格・扁桃肥大

生まれつきの骨格や、のどの扁桃の大きさもいびきに関わります。
下あごが小さい、または後ろに引っ込んでいる骨格の方は、もともと気道が狭くなりがちです。子どもや若い方では、口蓋扁桃やアデノイドの肥大が原因になることもあります。骨格や扁桃が原因の場合、生活改善だけでは限界があり、耳鼻科での診察が役立ちます。
「単純性いびき症」と「睡眠時無呼吸症候群」の違い
いびきは、大きく無害なタイプと治療が必要なタイプに分かれます。呼吸が止まるかどうかが、見分けの大きなポイントです。
単純性いびき症とは

単純性いびき症は、無呼吸をともなわない、比較的リスクの低いいびきです。
疲れた日やお酒を飲んだ日など、一時的にかくいびきがこれにあたります。呼吸は止まらず、日中の強い眠気もありません。ただし、いびきが年々大きくなる場合は、無呼吸へ移行していないか確認が必要。自己判断が難しいため、気になるときは検査で調べると安心です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。
「大きないびき→無呼吸で静かになる→あえぐように呼吸再開」を一晩に何度も繰り返します。体は低酸素状態になり、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などのリスクが高まると報告されています。日中の強い眠気により、居眠り運転の原因になることもあります。SASが疑われる場合は、検査と治療が必要です。SASの症状・検査・治療は専用記事で詳しく解説しています。
見分け方の比較表
ご自身のいびきがどちらに近いか、下の表で確認してみてください。あくまで目安であり、確定には検査が必要です。
| 項目 | 単純性いびき症 | 睡眠時無呼吸症候群(SAS) |
| 無呼吸 | ない | ある(10秒以上の停止を繰り返す) |
| いびきの音 | 一定〜やや大きい | 非常に大きく、途切れる |
| 日中の眠気 | 少ない | 強い(会議中・運転中に眠くなる) |
| 起床時の状態 | すっきり | 頭痛・だるさ・口の渇き |
| リスク | 低い | 高血圧・心疾患・脳卒中など |
| 対応 | 生活改善で様子見 | 検査・治療が必要 |
放置すると危険な「いびき」のサイン

次のサインがある場合、単なるいびきではなくSASが隠れている可能性があります。心当たりがあれば、早めに耳鼻科や睡眠外来へご相談ください。
- 家族から「呼吸が止まっている」と指摘された
- いびきが途中でピタッと止まり、その後あえぐように再開する
- 朝起きても疲れが取れず、頭痛や口の渇きがある
- 日中に強い眠気があり、運転や仕事に支障が出る
- 大きないびきが毎晩、年々ひどくなっている
これらは体が低酸素状態になっているサインかもしれません。症状の強さには個人差があり、自覚がないまま進むこともあります。気になる方は自己判断せず、検査で確かめることをおすすめします。
今日からできる!いびきのセルフ対策

生活習慣を見直すことで、いびきがやわらぐことがあります。まずは自宅でできる対策から始めてみてください。ただし、無呼吸をともなういびきはセルフケアだけでは改善しません。
- 横向きで寝る:舌の落ち込みを防ぎ、気道を確保しやすくなります
- 適正体重を目指す:のどまわりの脂肪を減らすと気道が広がります
- 寝酒を控える:就寝前のアルコールは筋肉をゆるめ、いびきを強めます
- 鼻づまりを治す:鼻呼吸ができると口が開きにくくなります
- 枕の高さを調整する:高すぎる枕は気道を折り曲げてしまいます
- 禁煙を心がける:喫煙はのどの炎症やむくみの原因になります
2〜4週間続けても改善しない、または家族に無呼吸を指摘される場合は、原因を医療機関で調べる段階です。効果には個人差があります。
いびきの治療方法

いびきの治療は、原因に合わせて選びます。当院は鼻に特化した日帰り手術に対応し、すべて保険診療で行います。適応は検査と診察で判断します。
鼻の日帰り手術
鼻づまりが原因のいびきには、鼻の手術が有効なことがあります。
鼻中隔弯曲症や慢性的な鼻炎で気道が狭い場合、鼻の通りを改善する手術を行います。当院では日帰りで受けられる鼻の手術に力を入れており、原因が鼻疾患であれば保険診療の対象です。鼻が通ると口呼吸が減り、いびきの軽減が期待できます。手術の適応は、検査結果をもとに一人ひとり判断します。
CPAP療法
中等症以上のSASには、CPAP(シーパップ)療法が用いられます。
CPAPは、鼻に装着したマスクから空気を送り、気道が閉じないよう圧をかける治療です。睡眠中の無呼吸を防ぎ、SASにもっとも有効とされる方法。当院はSASの検査からCPAP治療まで対応しています。保険診療で受けられ、定期的な通院で状態を管理します。
マウスピース(口腔内装置)
軽症〜中等症のいびきやSASには、マウスピースが選択肢になります。
下あごを少し前に出した状態で固定する装置で、気道を広げる働きがあります。CPAPが合わない方や、旅行など持ち運びを重視する方に向いています。作製は歯科と連携して行い、適応は診察で判断します。すべての方に効果が出るわけではありません。
生活習慣の改善
どの治療を選ぶ場合でも、生活習慣の見直しは土台になります。
減量・節酒・横向き寝・禁煙といったセルフケアは、治療効果を後押しします。軽いいびきなら、生活改善だけでやわらぐこともあるでしょう。治療と並行して続けることで、より良い状態を目指せます。
いびきで受診する目安と何科に行くべきか
いびきで悩んだら、まずは耳鼻咽喉科への受診が基本です。鼻・のど・気道は耳鼻科の専門領域だからです。
家族に無呼吸を指摘された、日中の眠気が強い、毎晩いびきが大きい。こうしたサインがあれば、放置せず受診してください。鼻づまりが原因のいびきは、耳鼻科で原因から治療できます。SASが疑われる場合も、耳鼻科で検査を受けられます。
「何科か迷う」「どのタイプのいびきか分からない」という段階でも問題ありません。当院では、いびきの原因を診察と検査で見極め、必要な治療をご提案します。
桃子先生からのひとこと
「いびきくらいで受診していいの?」とためらう方はとても多いです。でも、いびきは体が発する立派なサインです。原因が鼻にあるのか、無呼吸が隠れているのかは、診察と検査ではっきりします。私が院長を務めるYouTube『桃子先生の耳鼻科教室』でも、いびきや鼻の悩みを分かりやすくお伝えしています。一人で抱え込まず、気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
いびきについて、患者さんからよくいただく質問にお答えします。
Q1. いびきは病気ですか?
いびき自体は症状であり、無害なものと病気が隠れたものがあります。無呼吸をともなういびきは睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、治療が必要です。気になる場合は検査で確かめてください。
Q2. なぜいびきをかくのですか?
眠っている間に気道が狭くなり、粘膜が振動して音が鳴るためです。鼻づまり・肥満・飲酒・仰向け寝・加齢などが気道を狭くします。原因は一つとは限りません。
Q3. 太るといびきをかきやすくなりますか?
はい、のどまわりに脂肪がつくと気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。減量でやわらぐこともありますが、効果には個人差があります。
Q4. いびきの治療は保険がききますか?
原因が鼻疾患やSASなど病気による場合、保険診療の対象です。当院は鼻の日帰り手術・CPAP治療ともに保険診療で対応しています。詳しくは診察でご確認ください。
Q5. 桃子先生に相談するには、どのいびきから受診すべきですか?
家族に無呼吸を指摘された、日中の眠気が強い、いびきが年々ひどくなる。このいずれかがあれば受診の目安です。迷ったときも、まずご相談いただければ原因を一緒に確認します。
いびきが気になる方は武田耳鼻咽喉科へ

いびきは、放置してよいものと治療が必要なものがあります。自己判断で見逃さないためにも、一度専門医の目で確かめることが大切です。
当院は鼻に特化した日帰り手術と、SASの検査・CPAP治療に対応しています。すべて保険診療で行い、いびきの原因から丁寧にご説明します。東武東上線みずほ台駅西口から徒歩1分。毎晩のいびきや家族の指摘が気になる方は、お気軽にご相談ください。
みなさまに寄り添った診療を
心がけております。
保険証を持参の上、ご来院ください。
また、当院ではオンライン資格確認を推進しています。
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この記事の監修者
・埼玉医科大学医学部卒業
・日本大学附属板橋病院 臨床研修医終了
・東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科 勤務
・東京慈恵会医科大学附属第三病院 耳鼻咽喉科 勤務
・東京都保健医療公社 豊島病院 耳鼻咽喉科 勤務
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アクセス
- クリニック名
- 医療法人社団皐八会 武田耳鼻咽喉科
- 住所・所在地
- 〒354-0018 埼玉県富士見市西みずほ台1-19-5
- 電話番号
-
049-254-8733
※電話対応は行っておりません - アクセス
- 東武東上線みずほ台駅西口、駅から徒歩1分。交番隣り。
- 駐車場
- 敷地内駐車場5台。
周辺に無料で使える提携駐車場もあり。 - 営業時間
-
午前診療:9:00 ~ 12:00
午後診療:15:00 ~ 18:00
休診日:木曜日、日曜日、土曜日は午前診療のみ
※土曜日の午前診療は9:00 ~ 12:30です。
みなさまに寄り添った診療を
心がけております。
保険証を持参の上、ご来院ください。
また、当院ではオンライン資格確認を推進しています。